勇者vs魔王-0
タイトル
勇者vs魔王
感想

2000年代初頭からテレビのクイズ番組でよく見られていた「オバカいじり」も、今は影を潜めて久しいですね。

わざとすっとんきょうな答えを出して、笑いを誘っている場合を除き、一生懸命考えて答えを紡ぎ出した回答を笑い飛ばすのは如何なものか、という風潮なのでしょうか。

いま現在この文章を書いていて「確かにそうだな」と思っている自分がいます。

連想力を活かして、蜘蛛の糸を手繰るがごとく導き出した回答は、時として「なるほど」と唸るものも確かにありました。

また、何事も挑戦が大事、失敗は成功のもととも言われています。

たくさん失敗してたくさん経験を積むことが、成功への一番の近道だと、大勢の人が言っている中で、常識と言われているものを知らなかっただけで、自分なりの回答を出したのを笑うという習慣こそが、いま考えれば嘲笑って良い文化だったのかもしれません。

常識と言うのは常に移りゆくものです。

教科書も刻々と改訂されていますし、知らないことと知っていることを比べたら、人間は誰しも知らないことの方が多いでしょう。

知らない人の方が新しい価値観を受け入れやすい場合もあります。

常識が無いからこそ、偏見や同調圧力・忖度といった類のものとは無縁である可能性もあります。

そう考えれば知らないことも、悪いことばかりではありません。

ですが、人には立場と責任と言うものがありまして、その立場ならこれくらいは知っててもらわないと困る場合もやっぱりあるみたいです。

責任が強くなるにつれて、知らないでは済まされないことも比例して増えていきます。

例えばお医者さんが「えっ、鼻からなんか液体が流れてますけど大丈夫ですか?それになんか体が熱いですよ。これは重大な病気ですね」という感じで「風邪」を知らなかったらもう大変ですよね。

いくら超難度のバイパス手術を成功させる技術があったとしても、外来当番にはならないで頂きたいです。

立場にはそれ相応の知識が必要で、それを満たしている証明として資格があるんですよね。

医師とか美容師なんかはちゃんと資格がありますので、資格を持ってるだけである程度の信頼は抱けますが、資格がない職業では、その見極めが難しいものがあります。

例えば『勇者』とか。

漢字が分からないのはまだいいけれど、なんとなくで魔法はかけないで頂きたい。

「たぶんこんな効果があるんだろうなぁ」くらいな知識で使わないでほしいですよね。

もしかしたら重大な副作用があって、魔法が切れたあと数ターンは防御力が弱くなるとかあるかもしれないし、攻撃魔法だって属性を無視してたら相手を回復させちゃうことだってあるわけですから。

世界を救うという大きな責任を持つ勇者には、伝説の剣を引き抜けるだけではなくて、ちゃんとそれなりの試験を受けて頂いて、ちゃんと合格したのちに旅立って頂きたいと切に願わずにはいられない、そんな4コマ漫画です。

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作成日時
2012-04-28 14:21:00
更新日時
2021-12-05 15:28:39
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